2012年3月18日日曜日

アルコールを飲みすぎるとビタミンB1が欠乏するのはなぜですか?

アルコールを飲みすぎるとビタミンB1が欠乏するのはなぜですか?







アルコールはまずADH(アルコール脱水素酵素)でアセトアルデヒドに分解されます。

さらにALDH(アルデヒド脱水素酵素)の働きで酸化され酢酸に変わります。

酢酸はアセチル-CoAに変換され、TCA回路(高校の生物で、クエン酸回路とかクレブス回路と習ったものです)で代謝されて生体のエネルギーであるATPになります。

アルコール代謝の過程でビタミンB群が消費されますが、ADHとALDHの作用過程で消費されるのは、ナイアシン(ビタミンB3)と云われるニコチン酸とニコチン酸アミドです。

体重60kg程度の成人の1時間あたりのアルコール処理能力は、6~7gと云われています。

アルコールの含有量は、ビール大びん1本、ウイスキーのダブル、日本酒の1合がほぼ同じでおよそ23gですから、この量のアルコールの処理に3~4時間掛かることになります。

これを越える飲酒をした時に、本来タンパク合成や薬物などの代謝を行なうMEOS(ミクロソームエタノール酸化系酵素)がアルコール代謝を始めます。

MEOSは、ADHとALDHの両方の酵素の働きを補完することが出来ます。

このMEOS代謝でチアミン(ビタミンB1)が消費されることから「アルコールを飲みすぎるとビタミンB1が欠乏する」と云われる訳です。

ちなみにMEOSは、ADH不活発型(日本人の15%)とALDH部分欠損型(同40%)のいわゆる「弱い人」が強くなる過程で大きく活性化することが知られており、これらの人の場合はヒダミンB1欠乏に成り易いと云うことになります。

また、あまり知られていませんが、酢酸が代謝される過程でピロリン酸と云う物質が生成されますが、ピロリン酸は蓄積中にはリン酸を、排泄後にはカルシウムイオンを骨から奪うことが解かっています。

飲酒後は、各種ビタミン以外にカルシウムの摂取もお忘れ無く…^^








アルコールを分解する際にB1だけでなく多くのビタミンや水分を消費するからです。

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